作り置き料理や、冷凍した食材の解凍、簡単な低温調理など、キッチンで大活躍する「ジップロック」。
「冷凍保存→そのまま湯煎で温めたい」
「洗い物を減らしたいから、ジップロックのまま調理したい」
そんなときにふと気になるのが、
「ジップロックって湯煎に使っても大丈夫なの?」
「高温で溶けたり、有害物質が出たりしない?」
という疑問です。
結論からお伝えすると、ジップロックの種類によっては湯煎使用OKですが、すべてが適しているわけではありません。
この記事では、ジップロックを湯煎に使う際の安全性、対応タイプの見分け方、使うときの注意点やコツを詳しく解説していきます。
目次
そもそも「ジップロック」とは?
ジップロックとは、アメリカのSCジョンソン社が製造する密閉型の保存袋シリーズです。
日本では旭化成ホームプロダクツがライセンス提供して販売しています。
主な種類は以下の通り
タイプ | 特徴 | 湯煎対応 |
---|---|---|
ジップロック®フリーザーバッグ | 厚手で冷凍保存に最適 | △(低温湯煎なら可) |
ジップロック®ストックバッグ | フリーザーより薄手、冷蔵保存向き | ×(湯煎非推奨) |
ジップロック®スクリューロック | プラスチック容器タイプ | ◯(電子レンジ・湯煎対応可) |
ジップロック®コンテナー | 密閉型保存容器 | ◯(フタを外せば電子レンジ可) |
ジップロックの湯煎はOK?NG?ポイントを整理
湯煎OKな条件
- 使用するのはジップロック「フリーザーバッグ」または容器タイプ
- 湯温が80℃以下の低温であれば問題なし(推奨は70℃前後)
- 直接鍋底に触れさせず、浮かせて加熱するのが安全
湯煎NGなケース
- 100℃近い熱湯で長時間加熱
- 電子レンジ専用タイプやストックバッグの使用
- 空気を抜かずに密閉して加熱(袋が破裂する恐れ)
厚さや耐熱温度の違いによって、袋が変形・溶解・破損するリスクがあります。
各ジップロックタイプの耐熱温度目安
製品タイプ | 耐熱温度 | 湯煎対応 |
---|---|---|
フリーザーバッグ | 約95℃前後 | △(短時間・低温なら可) |
ストックバッグ | 約70〜80℃ | ×(非対応) |
スクリューロック | 約140℃(電子レンジOK) | ◯ |
コンテナー | 約140℃ | ◯(フタを外す) |
フリーザーバッグは耐熱90~95℃とされており、100℃の沸騰湯での長時間湯煎は非推奨です。
湯煎で使いたいなら「低温調理」に活用がおすすめ
70~80℃の湯煎は、「低温調理」や「冷凍ごはん・カレーの温め」に最適です。
使用例
- 冷凍したミートソースやスープの再加熱
- 鶏むね肉やささみの低温調理(65〜75℃)
- 冷凍ハンバーグの保温・再加熱
ジップロック湯煎の安全な使い方・手順
ジップロック湯煎の安全な使い方・手順① 食材を入れて空気を抜く
- 空気をしっかり抜くことで、湯煎時の浮きや破裂を防止
- 水を張ったボウルで「水圧脱気」をすると効率的
ジップロック湯煎の安全な使い方・手順② 袋の封を完全に閉じる(密閉)
- 湯煎中に水が入らないよう、チャックを最後まで閉じること
ジップロック湯煎の安全な使い方・手順③ 鍋の底に直接当てない
- 熱伝導で袋が破損する可能性あり
- 浮かせたり、鍋底にタオルや蒸し皿を敷くと安心
ジップロック湯煎の安全な使い方・手順④ 湯温を調整(70〜80℃目安)
- お湯を沸かしてから火を止め、温度が下がったところで袋を投入
- 温度計を使うと確実
- 湯煎時間は10〜20分程度を目安に
湯煎に不安がある場合の代替手段
「袋が溶けたら嫌」「不安で使えない」そんなときは、以下の代替策もおすすめです。
● ジップロック スクリューロックを使用
→ 耐熱性が高く、電子レンジ・湯煎どちらも対応可。液体メニューにも便利。
● 耐熱シリコンバッグ(スタッシャーなど)を活用
→ 繰り返し使えて環境にもやさしい。湯煎・電子レンジ両対応モデル多数。
● 食品対応の真空パック袋(ボイル対応)を使う
→ 業務用にも使われており、100℃の熱湯でもOKな仕様が多い。
よくある質問(FAQ)
Q. ジップロックが鍋の中で破裂することはある?
→ 湯煎中に内部の蒸気が膨張し、密閉しすぎると破裂するリスクがあります。
中身が加熱により膨らむ場合は、少し空気を残してチャックを軽く留めるのがコツです。
Q. 湯煎して変な臭いがしたけど大丈夫?
→ 溶けかけ・変質のサインかも。高温での使用は避け、袋の異変に気づいたら即中止しましょう。
Q. 袋の材質がポリエチレン・ナイロンなら安全?
→ 材質にもよりますが、多層構造(PE+PA)で厚みのあるタイプが湯煎向きです。
「食品用・湯煎対応」と明記された製品を選ぶのがベストです。
まとめ|ジップロック湯煎は「低温&短時間」であればOK!
ジップロックを使った湯煎は、袋の種類・湯温・使い方さえ守れば、安全に便利に活用できます。
ただし、
- 100℃の沸騰湯で長時間加熱するのはNG
- 湯煎向きではない「ストックバッグ」の使用は避ける
- 安全性が不安なときは、耐熱容器やスクリューロックに切り替える
といった注意点をしっかり押さえておくことが大切です。
本記事のまとめ
- ジップロック「フリーザーバッグ」は70〜80℃の湯煎で短時間なら使用可能
- ストックバッグは湯煎非対応のためNG
- 容器タイプのジップロック(スクリューロックなど)は湯煎対応OK
- 安全に使うには「袋の厚み」「湯温」「時間」に注意すること
- 不安な場合は耐熱容器やシリコンバッグなどで代用を!
ジップロックは本来「保存用」ですが、正しく使えば調理や時短にも役立つ便利アイテムです。
日々の料理や作り置きに、ぜひ上手に活用してみてくださいね!