文章を書いていて、「すこしずつって書こうとしたら“ず”なのか“づ”なのか分からなくなった…」という経験はありませんか?
実はこの「ず」と「づ」の使い分けには、国語のルールが関わっており、ちゃんとした決まりがあります。
でも、学校で習ったような気もするけど、うろ覚え…という人も多いのではないでしょうか。
この記事では、
- 「少しずつ」と「少しづつ」のどちらが正しいのか
- なぜそうなるのか
- 実際の使い分けのコツ
- さらに他の似た表現との違い

目次
「少しずつ」と「少しづつ」、正しいのはどっち?
まず結論から言うと、正しい表記は 「少しずつ」 です。
「少しづつ」は誤用とされています。たとえ発音で「づ」のように聞こえても、正しくは「ず」です。
「ず」と「づ」の使い分けにはルールがある
「ず」と「づ」の使い分けは、実は日本語の「表記の基準」に基づいて決まっています。
現代仮名遣いの原則(文部科学省)
日本の教育で使われている「現代仮名遣い」では、以下のように定められています。
◆同音が連続する場合や、特定の語から変化した場合を除き、「ず」を用いる
つまり、日常的な言葉の中で「づ」を使うのは限られた場合だけで、基本的には「ず」を使うのが正しいのです。
なぜ「少しずつ」になるの?
「少しずつ」は、「少し」と「ずつ」が合わさった言葉です。
この「ずつ」は、「一つずつ」「順番に」「段階的に」といった意味を持つ助詞で、昔から「ずつ」と表記されています。
- 「一人ずつ」
- 「一歩ずつ」
- 「少しずつ」
などすべて「ずつ」で、「づつ」とは書きません。
「づ」が使われるのはどんなとき?
では逆に、「づ」を使うのはどんなときでしょうか?
実は数はかなり限られており、以下のようなケースです。
【例】「づ」が使われる正しい言葉
- 続く → つづく
- 手続き → てつづき
- 傷つく → きずつく
- 頑張り続ける → がんばりつづける
ここでは、「つづく」などもともと“つ”がつく動詞や名詞が変化して「づ」になる場合に限り、「づ」が正しい表記になります。
【比較】似ているけど表記が違う例
以下の例もよく混同されるものです。
正しい表記 | 誤用例 | 備考 |
---|---|---|
少しずつ | 少しづつ | 「ずつ」が正解 |
一人ずつ | 一人づつ | 同上 |
順番に並び続ける | 並びずつける | 「続ける」由来なので「づける」 |
傷つく | きずずく | 「つく」が変化しているので「づく」 |
実際にありがちな間違い例と正しい書き換え
- 目標に向かって少しづつ進む
目標に向かって少しずつ進む
- 一歩づつ積み重ねる
一歩ずつ積み重ねる
- 習慣を続けることが大事
これはOK!「続ける」は「つづける」と表記するのが正解
音は「づ」に聞こえることもあるから注意!
実際に話すと、「すこしずつ」が「すこしづつ」のように聞こえることも多いです。
これは**連濁(れんだく)という日本語の音の変化で、特に口語では自然な現象です。
ですが、表記はあくまで「ずつ」が正解なので、聞こえたまま書かないよう注意しましょう。
日本語力アップのコツ:迷ったら辞書や文法ガイドをチェック!
迷ったときは、国語辞典や文化庁の「表記の基準」を参考にするのがおすすめです。
信頼できる辞書では、「少しづつ」は誤用として記載されていることがほとんどです。
また、Microsoft WordやGoogle Docsなどの文章作成ツールには、日本語校正機能がついており、「少しづつ」と書くと自動的に「少しずつ」への修正を提案してくれることもあります。
まとめ:正しくは「少しずつ」、間違えても焦らず学ぼう
最後にもう一度、この記事のポイントをまとめておきます。
- 正しい表記は「少しずつ」
- 「ず」と「づ」は音では似ていても、仮名遣いのルールで使い分けがある
- 「ずつ」は昔からの助詞で、「一人ずつ」「少しずつ」などに使う
- 「づ」が使われるのは「続く」「傷つく」など特定の動詞由来の場合のみ
- 書き間違えても恥ずかしくない。気づいて直せばOK!
あとがき:言葉は「少しずつ」覚えていこう
言葉の表記は、学べば学ぶほど「こんなルールがあったのか!」と面白くなってきますよね。
今回の「少しずつ」と「少しづつ」のような表記の違いも、毎日の生活や仕事で役立つ場面がきっとあるはずです。
無理して一度で覚える必要はありません。
少しずつ、自分のペースで学んでいきましょう。