雑学

公務員のボーナスはおかしい?現実と誤解をわかりやすく解説

「公務員って景気に関係なくボーナスがもらえるからずるい!」
「民間企業は大変なのに、公務員だけ待遇が良すぎない?」

 

こんな声を、ニュースやSNSなどで耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか?

特に不景気や社会不安が高まるとき、公務員のボーナスに対して疑問や不満を持つ人が増える傾向があります。

 

では、本当に公務員のボーナスは「おかしい」のでしょうか?

この記事では、公務員のボーナスの仕組み、批判される背景、そして本当のところどうなのかを、わかりやすく丁寧に解説していきます!

 

この記事を読めば、単なる感情論に流されず、冷静に公務員ボーナス問題を考えられるようになりますよ!

 

そもそも公務員のボーナスって何?

まず、公務員のボーナス(正式には「期末手当」「勤勉手当」といいます)とは、民間企業でいう「賞与(ボーナス)」にあたるものです。

 

【ポイント】

  • 期末手当=勤務成績や業績に関係なく支給される基本部分
  • 勤勉手当=勤務成績や勤務態度を反映させる成績部分

 

つまり、民間企業のように「業績ボーナス」と違って、基本的には「働きに対する労い」「勤務態度に応じた評価」を目的としたものなのです。

 

公務員のボーナス額はどう決まる?

ここが重要なポイントです。

 

公務員のボーナス額は、民間企業のボーナス支給状況を参考にして決められています。

 

具体的には、

  • 人事院(国家公務員の場合)
  • 各自治体の人事委員会(地方公務員の場合)
    が、毎年「民間給与実態調査」を行い、
    民間企業(特に中堅企業)のボーナス支給実態をベースに調整するルールになっています。

 

つまり、「公務員だけ特別にたくさんもらっている」というわけではなく、民間水準に合わせて上下しているのです。

 

【例】

民間企業のボーナスが下がれば、翌年の公務員ボーナスも減額される流れになります。

 

公務員のボーナス「おかしい」と言われる理由は?

では、なぜ「公務員ボーナスおかしい!」という声が出てくるのでしょうか?

主な理由を整理してみましょう。

 

公務員のボーナスおかしいと言われる理由1. 景気や業績に左右されない安定感

民間企業では、不景気になるとボーナスカットやゼロ査定が珍しくありません。

一方、公務員は

  • 経済危機でも一定額支給
  • 失業リスクがほぼない
    という安定感があるため、「ズルい」と感じる人が多いのです。

 

公務員のボーナスおかしいと言われる理由2. 実感としてのズレ

たとえば、自分が働いている民間企業のボーナスが激減したのに、ニュースで「今年の公務員ボーナスは○か月分支給」と流れると、どうしても「自分たちは苦しいのに…」という不満が湧きやすくなります。

 

公務員のボーナスおかしいと言われる理由3. 公務員のイメージ問題

  • 楽そう
  • 定時帰り
  • 仕事がルーティン
  • リスクが少ない

というステレオタイプなイメージがあるため、「たいして苦労してないのにボーナスもらえるなんて!」と感情的な批判を招きやすいのです。

 

実際の公務員ボーナス事情はどうなのか?

ここからは少しリアルな視点で見ていきましょう。

 

公務員のボーナス平均額(目安)

国家公務員・地方公務員ともに、平均して年間で4.0〜4.4か月分程度の支給が多いです。

 

【例】

年収500万円の公務員なら、ボーナスは年間で約160万〜180万円程度。

 

決して超高額というわけではありませんが、たしかに民間平均よりは若干高めに設定される傾向があります。

 

公務員にも格差がある

一口に公務員といっても、

  • 国家公務員(本省勤務)
  • 地方自治体職員(役所職員)
  • 学校教員
  • 警察官、消防士、自衛官
    など、職種や地域によって大きな差があります。

 

また、評価によって勤勉手当の支給額も変動するため、必ずしも全員が満額もらえるわけではないのです。

 

民間と公務員のボーナス比較は本当にフェア?

ここで少し冷静に考えてみましょう。

 

民間企業

  • 成果主義が強い
  • 売上や利益で支給額が決まる
  • 好景気なら高額、悪ければゼロもありえる
  • 転職・失職リスクがある

 

公務員

  • 安定的な業務
  • 景気変動に左右されにくい
  • 基本的に制度に基づく支給
  • リストラはほぼないが異動や転勤リスクあり

 

つまり、リスクとリターンのバランスが違うのです。

 

民間はハイリスク・ハイリターン、公務員はローリスク・ローリターン。

 

この構造を理解すれば、「どちらが得」と単純には言えないことがわかりますよね。

 

公務員ボーナスに対する今後の議論

今後、公務員のボーナス制度には

 

  • 更なる成果主義の導入
  • 景気動向連動型への改革
    といった議論が求められる可能性もあります。

 

ただし、安定した行政サービスを維持するためには、一定の処遇安定は不可欠とも言われています。

 

改革するなら、

  • 単に削減するだけでなく
  • 公務員の質の向上を促す
    ような建設的な議論が必要でしょう。

 

まとめ|公務員のボーナスは「おかしい」と一概には言えない

  • 公務員のボーナスは民間企業の水準に合わせて決まる
  • 景気に左右されにくい分、安定しているのは事実
  • 民間と公務員ではリスクとリターンの構造が違う
  • 「おかしい」と感じるのは実感格差やイメージの影響が大きい
  • 本当に問題にするなら、冷静な制度改革議論が必要

 

感情的に「ズルい!」と感じてしまう気持ちは自然なものですが、一歩踏み込んで背景や仕組みを知ると、単純な善悪では語れない問題だということが見えてきます。

 

これからも、社会全体のバランスを考えながら、冷静な目で「公務員ボーナス問題」を見つめていきたいですね!

 

関連リンク

  • 国家公務員のボーナス支給実態と民間との比較

    国家公務員のボーナス(期末・勤勉手当)は、人事院が調査した民間企業のボーナスの支給状況を基礎として、支給月数が決められています(民間準拠)。詳細な支給月数や支給額については、内閣官房の資料をご参照ください。 ([PDF] 国家公務員の給与 - 内閣官房)

 

 

 

 

  • この記事を書いた人

ゆいと

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