日本語には、相手の家族に敬意を示すための特別な言葉遣いがたくさんあります。
その中でも、「ご子息」「ご息女」という表現は、冠婚葬祭やビジネス、フォーマルな場面でよく使われる敬語表現です。
しかし、「ご子息って誰のこと?」「ご息女はどんなときに使うの?」と疑問に思ったことはありませんか?

目次
「ご子息」と「ご息女」の基本的な意味
まずはそれぞれの言葉の基本的な意味を押さえましょう。
ご子息(ごしそく)とは?
「ご子息」は、
相手の息子さんを敬って呼ぶ言葉です。
- 「子息」=「息子」の丁寧な表現
- 「ご」が付くことでさらに敬意を加えた形
つまり、「ご子息」と言うだけで、相手の息子さんに対する敬意を込めた呼び方になります。
ご息女(ごそくじょ)とは?
「ご息女」は、
相手の娘さんを敬って呼ぶ言葉です。
- 「息女」=「娘」の丁寧な表現
- こちらも「ご」を付けて、より一層の敬意を表す
つまり、「ご息女」は、相手の娘さんを尊重した非常にフォーマルな言い方です。
「ご子息」「ご息女」の使い方と例文
「ご子息」の使い方例
- 「〇〇様のご子息は、現在大学に通われているそうですね。」
- 「このたびはご子息のご結婚、誠におめでとうございます。」
- 「ご子息が新入社員として入社されると伺いました。」
ポイントは、相手の家族を紹介・話題にする時、あくまで敬意をもって使うことです。
「ご息女」の使い方例
- 「〇〇様のご息女がこのたびご卒業されたとうかがいました。」
- 「御社社長のご息女は音楽大学でご活躍と聞いております。」
- 「ご息女のご結婚、心よりお祝い申し上げます。」
「ご息女」も、相手の娘さんについて丁寧に話すときに用います。
特に、結婚や進学、就職などの節目で使われることが多いです。
「ご子息」「ご息女」ビジネスシーンや冠婚葬祭での具体的使用例
実際にどのような場面で使うのが自然なのか、シチュエーション別に見てみましょう。
「ご子息」「ご息女」結婚式・披露宴
- 「本日は、〇〇様のご子息、□□様の晴れの日に際し、心よりお祝い申し上げます。」
- 「ご息女様の素晴らしいご成長を拝見し、感慨深い思いでいっぱいです。」
「ご子息」「ご息女」葬儀・法事
- 「このたびはご子息様のご逝去、誠に痛惜の念に堪えません。」
- 「ご息女様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。」
※この場合、非常に慎重な言葉選びが求められます。
「ご子息」「ご息女」ビジネス上の紹介・会話
- 「〇〇株式会社の専務取締役には、〇〇社長のご子息が就任されました。」
- 「御社のご息女様も、貴社の一員としてご活躍とのこと、心よりお喜び申し上げます。」
ビジネスシーンでは、特に親族経営の企業などで使われることがあります。
「ご子息」「ご息女」使う際に注意すべきポイント
1. 自分の家族には使わない
「ご子息」「ご息女」は、あくまで相手の家族に敬意を払う言葉です。
自分自身や自分の家族について言及する際には、使ってはいけません。
【✕】私のご子息は今年就職しました。
【〇】私の息子は今年就職しました。
自分の家族に「ご」を付けるのは、過剰な謙譲表現になり、かえって違和感を与えてしまいます。
2. フォーマルな場でのみ使用する
「ご子息」「ご息女」は非常にかしこまった表現です。
カジュアルな場面では使うと堅苦しすぎたり、浮いてしまうことがあります。
親しい間柄なら、
- 「息子さん」
- 「娘さん」
といった言い方で十分です。
3. 年齢を問わず使えるが注意が必要
赤ちゃんから大人まで、息子・娘であれば年齢を問わず使えます。
ただし、あまり幼い子供に対して「ご子息」「ご息女」を使うと、やや大げさに聞こえることもあります。
特に会話では、相手との関係性や場の空気をよく見て使うことが大切です。
類語・言い換え表現
場合によっては、「ご子息」「ご息女」以外の表現を使った方が自然なこともあります。
以下に、いくつかの言い換え例を紹介します。
表現 | ニュアンス | 使用シーン |
---|---|---|
ご長男/ご長女 | 一番目の子供に敬意を払う | 長男・長女の紹介時 |
ご令息/ご令嬢 | より格調高い表現 | 結婚式・挨拶文など |
息子さん/娘さん | 親しい間柄・カジュアル | 日常会話 |
ご子弟 | 息子をやや格式高く指す | 学問・教育関連 |
特に「ご令息」「ご令嬢」は、さらに格式高い印象を与えるため、目上の方や公式文書では重宝されます。
まとめ:「ご子息」「ご息女」を自然に使いこなそう
ここまで、「ご子息」「ご息女」について詳しく解説してきました。
ポイントまとめ
- 「ご子息」= 相手の息子さんへの敬称
- 「ご息女」= 相手の娘さんへの敬称
- 自分の子供には使わない
- フォーマルな場面で使用する
- 状況に応じて言い換え表現も活用する
言葉の選び方ひとつで、相手への敬意や礼儀正しさは大きく伝わります。
冠婚葬祭やビジネスの大切な場面で、ぜひ適切に「ご子息」「ご息女」という言葉を使いこなし、好印象を与えられるようになりましょう!
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