『ドラゴンボール』といえば、バトルだけでなくキャラクターたちの成長や人間関係の変化も魅力のひとつですよね。
その中でも「え? ベジータってクリリンに優しかったっけ?」と思った人も多いのではないでしょうか。
かつては冷酷なサイヤ人戦士だったベジータが、どうしてクリリンに対してある種の“優しさ”を見せるようになったのか。
その背景には、いくつもの出来事と、ベジータ自身の内面の変化が関わっているんです。
この記事では、作品内の名シーンや関係性の変化をもとに、ベジータがクリリンに優しくなった理由を探っていきます。
目次
最初の出会いは最悪!ベジータ vs クリリン
サイヤ人襲来編での冷酷な戦い
ベジータとクリリンの出会いは、まさに“最悪”。
サイヤ人襲来編で地球に現れたベジータは、ナッパとともにZ戦士たちを圧倒し、クリリンに対しても容赦なく攻撃を仕掛けます。
この時のベジータは、完全に「敵」。地球人や下級戦士を見下し、情け容赦のない戦い方をしていました。
クリリンに対して優しさなど一切見せず、まさに非情なサイヤ人そのものでした。
ナメック星編での微妙な変化
ところが、ナメック星編では少しずつ空気が変わっていきます。
ベジータはフリーザ軍からの独立を目指し、自らの目的のために一時的に悟飯やクリリンと手を組む形になります。
もちろんこの時点で「友情」や「信頼」は皆無。ただ、「敵の敵は味方」といった利害一致による共闘でした。
それでも、クリリンに対して直接的な敵意を見せなくなっていく点は、後の関係性を示唆しているとも言えます。
決定的なシーンはココ!クリリンに命を託すベジータ
フリーザ戦前夜、ベジータが見せた“信頼”
ナメック星での最も印象的なシーンのひとつが、「クリリンに自分を殺させようとするベジータ」の場面です。
ベジータは、サイヤ人の特性である「死にかけて復活すると強くなる」性質を利用するため、クリリンに自分を瀕死に追いやってくれと頼みます。
これはクリリンにとっては非常に難しい選択。しかし、ここで重要なのは、ベジータがその大事な役目をクリリンに任せたということ。
「貴様にしか頼めん」とまでは言っていませんが、この時点でベジータはクリリンを“利用価値のある人間”としてではなく、ある程度信頼できる存在と見ていた可能性が高いです。
地球での生活がもたらした心の変化
家族を持ったことで変わる価値観
フリーザ編後、ベジータは地球に住み始め、ブルマとの関係を築き、やがてトランクスという息子が生まれます。
この頃から彼の態度には明らかな変化が見られます。
地球での生活、家族を持つことによって、ベジータは「仲間」「家族」「友情」といった人間らしい感情を徐々に理解するようになります。
その結果として、Z戦士たち――つまりクリリンに対しても、昔のような敵意や冷たさは消えていったのです。
クリリンの“人間力”がベジータを動かした?
クリリンといえば、悟空の親友であり、Z戦士のムードメーカー的存在。戦闘力ではベジータに遠く及ばないものの、仲間想いで勇敢な性格は、ベジータにとって「理解しがたくも魅力的な人間」だったのかもしれません。
ベジータは、言葉にこそ出さないものの、こうしたクリリンの人間性に少なからず影響を受けていたのではないでしょうか。
ブウ編以降に見られる“本当の仲間意識”
魔人ベジータの涙と自己犠牲
ブウ編では、魔人に操られながらも、自らの意志で自爆を選び家族と地球を守ろうとするベジータの姿が描かれます。
このとき、クリリンはその決断を理解し、誰よりもベジータの覚悟に心を動かされていました。
そしてベジータもまた、クリリンの前で初めて“涙”を見せるという、非常に人間的な一面を見せます。
この場面こそ、ベジータが完全に“仲間”としてクリリンを認識していた証と言えるでしょう。
超でのやりとりに見るリスペクト
『ドラゴンボール超』でも、ベジータとクリリンのやり取りには、かつてのような棘がありません。
ベジータはクリリンに対して明らかに攻撃的な態度をとらず、時には軽口をたたきながらも対等な戦士として接しています。
長い付き合いを経て、彼らの関係は“戦士としての信頼”に昇華していったのです。
まとめ:ベジータの優しさは“進化”の証
ベジータがクリリンに優しい理由。
それは単なる「仲間だから」ではなく、以下のような複数の要素が絡み合った結果なのです。
- ナメック星での共闘による“信頼”の芽生え
- 家族を持ち、地球で暮らすことで得た“人間らしさ”
- クリリンの“人間的魅力”に影響を受けた可能性
- 長年の戦いを通じて育まれた“戦友としての絆”
冷酷な戦士だったベジータが、人として成長し、クリリンのような存在に優しさを見せるようになったのは、彼のキャラクター変化の中でも最も感動的なポイントのひとつです。
「最初は敵だったのに、いつの間にか仲間として信頼していた」――そんなベジータとクリリンの関係は、『ドラゴンボール』という作品の奥深さを物語っているのかもしれませんね。