「そうぞうする」――日本語には同じ発音なのに意味がまったく異なる言葉が存在します。
その代表格が、「想像」と「創造」です。
例えば、
- 「未来をそうぞうする」
- 「新しいアイデアをそうぞうする」
この2つの「そうぞう」、どちらが「想像」でどちらが「創造」か、すぐにわかりますか?

目次
「想像」とは?意味と使い方
「想像」の意味
「想像」とは、実際に目にしていないことを頭の中で思い描くこと。
つまり、心の中でイメージを作る行為です。
例:辞書的な定義
実際に経験したことのない物事や状況を、心の中で思い描くこと。
想像の例文
- 彼がどんな気持ちだったのか、想像してみる。
- 火星に住む未来の生活を想像する。
- あんなに悲しい出来事があったなんて、想像もつかなかった。
想像は「見えないものを思い浮かべる力」
想像は、あくまで「既存の情報」や「自分の経験」をもとにした思考活動です。
たとえば、
- 読んだ本の登場人物の顔を思い浮かべる
- 他人の気持ちを想像して共感する
- 未来の旅行プランを考える
このように、頭の中で映像や感情を描くことが「想像」なんですね。
「創造」とは?意味と使い方
「創造」の意味
「創造」とは、今までにない新しいものを生み出すこと。
つまり、何もなかったところに“実体”を作り出す行為です。
例:辞書的な定義
それまで存在しなかったものを新しく作り出すこと。
創造の例文
- 芸術家は、独自の世界観を創造した。
- IT企業が新しいサービスを創造する。
- 人間は言語というコミュニケーション手段を創造した。
創造は「ゼロから生み出す力」
創造は、まだ存在しないものを形あるものとして生み出す行為です。
たとえば、
- 新しいビジネスモデルを生み出す
- 小説や音楽を一から作る
- 新しい発明品を設計する
これらはすべて「創造的」な行動といえます。
単なる想像とは異なり、「行動や作品、結果として現れる何か」が伴う点が大きな違いです。
「想像」と「創造」の違いを簡単に整理
項目 | 想像(そうぞう) | 創造(そうぞう) |
---|---|---|
意味 | 頭の中で思い描く | 新しいものを生み出す |
存在 | 目に見えない・内面的 | 実際に形になる・外的 |
例 | 未来を思い描く、気持ちを推し量る | 商品を生み出す、物語を書く |
ベース | 経験や知識 | アイデアや独創性 |
よくある間違い・混同例
「想像」と「創造」は発音が同じため、日常会話では特に区別せずに使われてしまうこともあります。
でも文章にするときやビジネスシーンでは、正確な使い分けが求められます。
間違いやすいケース
- 「未来社会を創造する」←OK(新しい社会を作る)
- 「彼の気持ちを創造する」←NG(「想像する」が正しい)
- 「アート作品を想像する」←NG(「創造する」が正しい)
「想像力」と「創造力」の違いも大事!
この2つの力は、似ているようで別物。でも実はどちらも現代社会で非常に大切な能力です。
想像力とは?
- 他人の立場になって考える
- 未来のリスクを予測する
- 小説や映画の世界に没入する
など、見えないものに思いを馳せる力です。
創造力とは?
- 新しいビジネスや商品を生み出す
- 独自の視点で問題を解決する
- 芸術や文章をゼロから作り上げる
など、アイデアを“かたち”にする力です。
「想像」と「創造」が両方必要な時代
現代社会では、AIやデジタル技術の進化により、単純な作業や情報処理はどんどん自動化されています。
そんな中で人間に求められているのが、「想像力と創造力」です。
- 想像力:相手のニーズや未来の可能性をイメージできる力
- 創造力:それをもとに新しい価値を形にできる力
ビジネスでも教育でも、この2つの「そうぞう」がバランスよく働くことで、新しい価値が生まれ、豊かな社会が育っていくのです。
まとめ:あなたの「想像」は「創造」につながる!
ここまで、「想像」と「創造」の意味や違い、使い方について見てきました。
- 「想像」=心の中で思い描く(目に見えない)
- 「創造」=新しいものを生み出す(目に見える)
このように、似ているようで本質はまったく異なる言葉です。
しかし、どちらも人間らしさを象徴する素晴らしい力であり、創造は想像から始まるとも言えます。
たとえば、未来の社会を「想像」することができる人は、その未来を「創造」することもできるかもしれません。
あなたの中の「そうぞう力」を、ぜひ日々の生活や仕事に活かしてみてくださいね!