進路を考えるとき、「この高校、公立?県立?」と耳にすることがあると思います。
なんとなく「どっちも国がやってる学校」と思っていませんか?
実は、「公立」と「県立」は同じようで違います。
「県立高校」も「公立高校」の一種ですが、「市立高校」や「町立学校」もまた“公立”に含まれるのです。
この記事では、
- 公立と県立の正確な違い
- それぞれの学校の運営主体(だれが運営してる?)
- 教育内容や入試の違いはあるの?
- 保護者としての選び方のポイント

目次
「公立」と「県立」の違いは運営者にある!
公立とは?
「公立」とは、「国ではなく地方自治体が運営している学校」のことです。
つまり、国立ではないけれど、民間(私立)でもない学校。以下のようなバリエーションがあります。
種類 | 運営している機関 |
---|---|
県立 | 都道府県 |
市立 | 市 |
区立 | 特別区(例:東京23区) |
町立・村立 | 町や村 |
このように、「県立」も「市立」も「町立」もぜんぶひっくるめて「公立」なのです。
県立とは?
「県立」は、公立の中でも都道府県が設置・運営している学校を指します。
中学・高校・特別支援学校などで多く見られ、全国的に数も多いのが特徴です。
つまり…
- 「公立」=国以外の自治体が作った学校(県・市・区など)
- 「県立」=その中でも「県」が運営する学校
高校でよく使われる「公立」「県立」の意味合い
「公立」「県立」なぜ混同されがちなのか?
高校受験の文脈では、「公立高校=県立高校」として使われることが多いです。
これは、高校は都道府県が設置しているケースが圧倒的に多いからです。
たとえば:
- 神奈川県の「県立横浜翠嵐高校」
- 大阪府の「府立北野高校」
- 北海道の「道立札幌南高校」
これらはいずれも「公立高校」であり、同時に「県(都・府・道)立高校」でもあります。
市立高校もある
一方で、都市部には「市立高校」もあります。たとえば
- 「横浜市立横浜商業高校(Y校)」
- 「名古屋市立向陽高校」
- 「千葉市立稲毛高校」
これらも公立高校ですが、県ではなく市が運営しているため「県立」ではありません。
「公立」「県立」入試や学費の違いはある?
「公立」「県立」入試の仕組み
県立高校(公立高校)の入試は、基本的に都道府県ごとに統一された制度で実施されます。
受験日や試験内容、配点方法なども各都道府県で決まっており、公平性が保たれています。
一方、市立高校も多くは都道府県の制度に準じていますが、独自の入試方式を採用しているケースもあるため、注意が必要です。
例
- 神奈川県の公立高校入試は、学力検査+内申点+面接などの総合評価
- 横浜市立高校の一部は、独自問題を導入している場合あり
「公立」「県立」学費・費用面ではどう?
県立も市立も、原則として「授業料」は同じ(無償化の対象)です。
2024年度現在、多くの公立高校は「高等学校等就学支援金制度」によって、授業料が実質無償になっています。
ただし、
- 制服代や教材費、部活動費などの諸経費は学校によって違います。
- 市立高校は「学区外からの進学」に制限がある場合も。
「市立」「県立」教育方針や学校の特色の違いは?
県立高校の特徴
- 学区ごとにバランスよく設置されている
- 偏差値の幅が広く、選択肢が豊富
- 理数科・国際科など専門性の高い学校も
- 学校規模が大きく、部活動も盛ん
市立高校の特徴
- 地元密着型で地域とのつながりが強い
- 独自のカリキュラムや特色教育がある
- 一部に「中高一貫校」や「国際バカロレア校」なども
- 市内居住者に有利な募集制度があるケースも
私立・国立と何が違うの?
学校の種類 | 運営主体 | 学費 | 入試の自由度 |
---|---|---|---|
公立(県立・市立など) | 地方自治体 | 安価(ほぼ無償) | 一定の基準に沿う |
私立 | 学校法人 | 高め | 自由に設定可能 |
国立 | 国(文科省) | 安価(公立と同程度) | 独自入試あり |
保護者・進学希望者が知っておきたい選び方のポイント
- 通学距離と通いやすさ
- 県立は広い範囲から通学者が多い
- 市立は地元優先で近場に強いメリット
- 志望する進路に合っているか
- 進学校、専門学科、部活動重視など特色で比較
- 入試制度に注意
- 特に市立高校は出題形式が違うことも
- 教育方針や校風との相性
- 校風や先生の指導スタイルも大切
まとめ:県立は公立の一種、でも違いはちゃんとある!
最後に、この記事のポイントをおさらいします。
- 「公立」は都道府県・市・区・町村など自治体が運営する学校の総称
- 「県立」はその中で、都道府県が設置・運営している学校
- 多くの高校では「県立=公立」とされがちだが、市立高校も確実に存在する
- 入試・学費は基本的に似ているが、細かなルールや教育内容に違いがある
あとがき:名称の違いだけじゃない、個性を知って選ぼう!
「公立と県立の違い」と聞くと、単なる言葉の違いと思われがちですが、実際には教育制度や地域との関係性が表れている重要な違いです。
学校選びをするときは、「名前」だけでなく「どんな教育をしているか」「自分に合うか」をじっくり見ていきましょう。
進学先の選択は将来につながる大事な一歩。焦らず、情報を集めて判断していってくださいね。