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「気勢をそぐ」の意味とは?|使い方・例文・類語もわかりやすく解説!

「気勢をそぐ」という言葉を耳にしたことはありますか?

 

日常会話ではあまり頻繁に使われないかもしれませんが、新聞記事やビジネスの場、スピーチ、論評などではよく見かける表現です。

 

この言葉は、「人のやる気を削ぐ」「盛り上がりを冷ます」といった場面で使われ、相手の勢いや熱意を失わせるというニュアンスを持っています。

 

本記事では、「気勢をそぐ」の正確な意味や由来、実際の使い方、例文、さらには似た言葉との違いまでを、わかりやすく丁寧に解説していきます。

 

「気勢をそぐ」の意味

まずは、言葉の構成から見てみましょう。

 

  • 気勢(きせい):気持ちの勢い、やる気、意気込み、士気
  • そぐ(削ぐ):勢いを弱める、力をなくす、切り落とす

 

この2つが合わさることで、「気勢をそぐ」とはつまり、

 

勢いや意気込みを失わせること。やる気や熱意に水を差すこと。

 

という意味になります。

 

「気勢をそぐ」の辞書的な定義(例:広辞苑)

気勢をそぐ(きせいをそぐ)
→ 人の意気込みや勢いを弱める。意気消沈させる。
例:反対意見が多く出され、計画の気勢がそがれた。

 

このように、「盛り上がっていたムードや熱意」を、一気にしぼませてしまうようなイメージで使われる言葉です。

 

「気勢をそぐ」の使い方

「気勢をそぐ」の使い方:よく使われるシーン

「気勢をそぐ」は、以下のような場面で使われます。

 

  • 会議や提案の場で、反対意見や批判が出たとき
  • 盛り上がった雰囲気に水を差すような発言をしたとき
  • やる気満々だった人のモチベーションが下がったとき
  • チームの団結が乱されるような行動があったとき

 

つまり、人の「やる気」や「前向きな気持ち」に冷や水を浴びせるような行為を形容するのにぴったりの表現なのです。

 

「気勢をそぐ」の使い方: ポジティブな文脈では使わない

注意点として、「気勢をそぐ」はネガティブな意味で使われるのが基本です。

 

誰かのやる気を削ぐことは、基本的に好ましくない行為であるため、褒め言葉や前向きな表現ではまず使われません。

 

「気勢をそぐ」の例文

ここからは実際に文章の中でどのように使われるのか、例文を見ていきましょう。

 

「気勢をそぐ」: ビジネスの場面での例文

  • チームの気勢をそぐような発言は控えていただきたい。
  • 新しいプロジェクトに対して上司の否定的な意見が出て、現場の気勢がそがれた。
  • 会議の冒頭でいきなり否定され、参加者の気勢が一気に下がった。

 

「気勢をそぐ」: ニュースや評論文での例文

  • 急な増税の発表は、消費の回復に向けた国民の気勢をそいだ。
  • 開幕戦の敗北が、優勝を目指すチームの気勢をそぐ結果となった。
  • 周囲の批判が、彼の改革への気勢をそいでしまった。

 

「気勢をそぐ」: 日常会話でのライトな使い方(やや硬め)

  • あんなこと言われたら、やる気そがれるよね。気勢そがれたわ〜。
  • 雨が降ってきて、せっかくのピクニックの気勢がそがれちゃった。

 

このように、やや硬めな表現ではありますが、フォーマルな場面でも自然に使える便利な言葉です。

 

類語・似た表現との違い

「気勢をそぐ」に似た意味の言葉はいくつかありますが、それぞれ微妙にニュアンスが異なります。

 

やる気を削ぐ

  • 意味:モチベーションを失わせる
  • ニュアンス:日常的でわかりやすい言い回し。カジュアル。

 

例:上司の一言で、完全にやる気を削がれた。

 

水を差す

  • 意味:盛り上がっている状況にブレーキをかけるような言動をすること
  • ニュアンス:状況や空気を乱す感じ。若干批判的な響きあり。

 

例:せっかくの楽しい話に水を差すようなこと言わないで。

 

士気を下げる

  • 意味:集団やチームのやる気・熱意を低下させる
  • ニュアンス:軍隊や組織、スポーツチームなどで使われやすい表現。

 

例:リーダーの発言が、チーム全体の士気を下げた。

 

気勢をそぐとの違い

  • 「気勢をそぐ」は、状況や勢い全体に対して効果を及ぼすニュアンスが強く、場の空気や集団の意気込みを対象にすることが多いです。
  • 一方、「やる気を削ぐ」はより個人的な感情にフォーカスして使われます。

 

「気勢をそぐ」を使うときの注意点

相手を傷つけない言い回しを心がける

「気勢をそぐ」は相手のモチベーションや熱意を下げる行為を表すため、批判的な響きを持つことがあります。

 

とくに人間関係において使う場合は、「誰が誰の気勢をそいだのか」という主語や文脈に気をつけましょう。

 

たとえば、

君の発言はチームの気勢をそいだよ。

 

と言うと、相手を責めているように聞こえる場合もあります。

 

もう少し柔らかい言い回しにしたいときは、

 

少しチームの雰囲気が落ち着いてしまったかもしれませんね。

 

など、間接的に伝える工夫も有効です。

 

おわりに

「気勢をそぐ」という表現は、やる気や熱意、勢いに対して冷や水を浴びせるような状況を的確に表す便利な言葉です。

 

やや硬めの語調ではありますが、ビジネスや論評などのフォーマルな場では非常に重宝されます。

 

使い方をしっかり理解しておけば、文章や会話の中で相手にわかりやすく、かつ丁寧に気持ちや状況を伝えることができます。

 

ぜひ今日から、「気勢をそぐ」という言葉を自分の語彙に取り入れてみてくださいね!

 

  • この記事を書いた人

ゆいと

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