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「会う」「逢う」「遭う」の違いとは?意味・使い分け・例文で徹底解説!

日本語には「会う」「逢う」「遭う」といった、同じ「あう」と読む漢字がいくつも存在します。

 

どれも一見似ていますが、実は使われる場面や意味がまったく異なります

 

たとえば…

  • 「久しぶりに友人と会う
  • 「運命の人と逢う
  • 「事故に遭う

 

このように、同じ「会う」でも、使う漢字によって込められた意味やニュアンスが大きく変わってくるのです。

 

この記事では、「会う」「逢う」「遭う」の違いを丁寧に解説し、それぞれの正しい使い方や例文、誤用しやすいポイントまで詳しく紹介します。この記事を読めば、文章の印象や言葉の深みが格段にアップしますよ!

 

「会う」の意味と使い方

「会う」基本的な意味

「会う」は、人と顔を合わせること、対面することを意味します。

 

最も一般的で、日常生活で広く使われている表現です。

 

「会う」使われる場面

  • 友人や知人と会う
  • ビジネスの場面での面談
  • 初対面の人との出会い

 

「会う」例文

  • 明日、大学時代の友達と会う予定です。
  • 就職活動で多くの企業の面接官と会った
  • 久しぶりに両親に会いに行く

 

「会う」は、特別な意味合いや感情的な深さがなくても、ただ物理的・予定的に誰かと接触する場面に使います。

 

非常に中立的でフォーマルな表現とも言えます。

 

「逢う」の意味と使い方

「逢う」基本的な意味

「逢う」は、「会う」と同じ“あう”でも、感情的な意味合いや特別な相手との出会いを強調する表現です。

 

ロマンチックなニュアンスや、深い縁を感じる場面に使われます。

 

「逢う」使われる場面

  • 恋人や大切な人との再会
  • 運命的・感情的な出会い
  • 別れた人との再会などドラマチックなシーン

 

「逢う」例文

  • 長い年月を経て、彼とまた逢うことができた。
  • 夢で何度も逢った人に、現実でも出会った。
  • 運命の人に逢えると信じている。

 

「逢う」は、詩的・文学的な表現としてもよく使われる漢字です。

 

小説やポエム、ラブレターなどでも見かけることが多く、日常会話ではあまり用いられません。

 

「遭う」の意味と使い方

「遭う」基本的な意味

「遭う」は、よくない出来事や思わぬトラブルに巻き込まれる・出くわすことを意味します。

 

事故・災害・不幸な出来事など、望ましくないシチュエーションに使われます。

 

「遭う」使われる場面

  • 交通事故や自然災害
  • 犯罪や災難
  • 思いがけない不運

 

「遭う」例文

  • 大雪の日に車で出かけて、事故に遭った
  • 詐欺に遭って、大金を失ってしまった。
  • 地震に遭い、避難生活を余儀なくされた。

 

「遭う」は、不測の事態に出くわすときの“あう”であり、感情よりも事実や現実を表現するために使われます。

 

意味がネガティブなだけに、使い方には注意が必要です。

 

漢字の意味から見る違い

それぞれの漢字の構成や意味を紐解くと、違いがより明確になります。

 

漢字 構成・成り立ち 意味・ニュアンス
「人」と「会う」会議の「会」 一般的・予定された出会い
「辶(しんにょう)」+「会」 道中で偶然or感情的な出会い
「辶」+「曹」=集まって予期せず出会う 災難や不運に出くわす

 

このように、「会」はシンプルで中立的、「逢」は感情や運命を感じさせ、「遭」はネガティブな出来事に巻き込まれるというニュアンスの違いがあるのです。

 

似た言葉との混同に注意!

「会う」「逢う」「遭う」はすべて「あう」と読むため、文章の中での使い分けが必要です。

 

とくに以下のような場面では混同しやすいので注意しましょう。

 

NG例と修正例

×「恋人と久しぶりに遭った」
→ 「遭う」は不幸な出来事に対して使うため、この表現は不自然。
〇「恋人と久しぶりに逢った」

×「事故に会った」
→ 中立的な「会う」では緊迫感がない。
〇「事故に遭った」

×「イベントで有名人と逢った」
→ 特別な感情やロマンチックな関係がなければ不自然。
〇「イベントで有名人と会った」


文章やシーンに応じた使い分け方

シーン 適した表現 理由
初対面の人と挨拶する 会う 中立・一般的な出会い
亡くなった家族に夢で出会う 逢う 感情的・ロマンチックな再会
通り魔事件に巻き込まれる 遭う 災難に出くわす意味
同窓会で友人と再会する 会う or 逢う 一般的には「会う」、感情がこもるなら「逢う」

 

文学・歌詞では「逢う」がよく使われる理由

「逢う」は特に詩的・感情的な文脈で多用されます。

 

たとえば恋愛ソングや小説の中では、「会う」では表現しきれない「想いの深さ」や「運命的な偶然」を強調するために「逢う」が使われるのです。

 

  • 「あなたに逢えてよかった」
  • 「もう一度だけ、君に逢いたい」

 

このような表現は、「逢う」だからこそ生まれる余韻やロマンがあります。

 

まとめ:使い分けのポイント

最後に、「会う」「逢う」「遭う」の違いを簡単にまとめます。

 

表現 読み 意味 使う場面
会う あう 人と顔を合わせる 一般的な出会い、フォーマルな場面
逢う あう 感情のこもった出会い 恋人、運命、再会、小説や詩
遭う あう 災難・不幸に出くわす 事故、トラブル、災害など

おわりに

「会う」「逢う」「遭う」は、同じ「あう」でも、その背景や感情、出来事の性質によって選ぶべき漢字が変わります。

 

普段の会話や文章でも、ちょっとした漢字の違いで、伝わる印象がまったく変わってきます。

 

これを機に、言葉の奥深さと美しさを感じながら、正しい使い分けを身につけてみてくださいね!

 

  • この記事を書いた人

ゆいと

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