就職活動や転職の話題でよく耳にする「引く手あまた」という言葉。
「あの人は引く手あまただね」「引く手あまたのエンジニア」など、ポジティブな文脈で使われることが多い表現ですが、正しい意味や使い方をきちんと理解していますか?

目次
「引く手あまた」の意味
まずは基本から押さえましょう。
「引く手あまた」とは、
- 多くの人に求められること
- 非常に人気が高いこと
- あちこちから声がかかる状態
を表す言葉です。
もともとは「引く手」が「引っ張る手」、「あまた」が「たくさん」という意味なので、「たくさんの手が引っ張る=多くの人に引っ張られるほど人気」というイメージが含まれています。
つまり、「欲しい」と思われる存在、「来てほしい」と強く望まれる存在を形容するポジティブな表現なのです。
「引く手あまた」語源・由来
「引く手あまた」の語源をさらに深掘りしてみましょう。
- 引く手(ひくて):もともとは「引き寄せる手」という意味。人や物を自分の側に引っ張ろうとする動作を表します。
- あまた(数多):非常に多いさま、数が多いこと。
この二つが組み合わさり、「あちこちから多くの手が自分を引っ張る=非常に求められる」という意味になったとされています。
江戸時代から使われていた表現ともいわれ、昔から人気者や需要が高いものを指す言葉だったのです。
「引く手あまた」の使い方と例文
では、実際にどのような場面で「引く手あまた」が使われるのでしょうか?
いくつかのパターンに分けて例文を紹介します。
「引く手あまた」1. 転職・就職活動の場面
- 「彼は専門知識が豊富で、転職市場では引く手あまたの存在です。」
- 「新卒ながら、ITスキルが高くて引く手あまただったそうだ。」
→ 特定のスキルや経歴が評価され、企業から高い需要がある場合に使います。
「引く手あまた」2. 芸能・スポーツ界での場面
- 「若手俳優の中でも、彼女はオーディションで引く手あまただ。」
- 「あのサッカー選手は海外チームからも引く手あまたのオファーを受けている。」
→ 才能や実績が注目され、多方面から誘いがかかる様子を表します。
「引く手あまた」3. その他ビジネスシーン
- 「営業部の〇〇さんは成績トップで、他部署からも引く手あまたです。」
- 「優秀なエンジニアは、どの企業でも引く手あまたの状態ですね。」
→ 社内外問わず、優秀な人材やリーダーが重宝されるケースにも使われます。
「引く手あまた」類語・言い換え表現
「引く手あまた」と似た意味を持つ表現もいくつか存在します。
場面に応じて言い換えられると、表現力がグッと広がりますよ。
類語・表現 | ニュアンス | 使用例 |
---|---|---|
争奪戦 | 取り合いが激しい | 「彼女の獲得をめぐって争奪戦になった。」 |
モテモテ | 恋愛対象として人気 | 「あの人は学生時代からモテモテだった。」 |
ひっぱりだこ | あちこちから引っ張りだされる | 「人気講師としてひっぱりだこだ。」 |
求められる人材 | ビジネス向きフォーマル表現 | 「今、即戦力として求められる人材です。」 |
状況や相手に応じて自然な表現を選びましょう。
ビジネスシーンでの「引く手あまた」の活用法
「引く手あまた」は、カジュアルにもフォーマルにも応用できる便利な表現です。
ビジネスシーンでは、特に以下のような使い方がおすすめです。
「引く手あまた」自社の人材アピールとして
「〇〇さんはプロジェクトリーダーとして経験豊富で、業界内でも引く手あまたの存在です。」
→ 優秀な人材を外部に紹介する際、控えめながら強いアピールになります。
「引く手あまた」求人広告・リクルーティングで
「将来、業界で引く手あまたとなるエンジニアを目指しませんか?」
→ 企業としてのビジョンを示す際にも使えます。
「引く手あまた」自己PRでさりげなく使用
「常に市場価値を高め、引く手あまたの存在を目指しております。」
→ 自己主張が強すぎず、前向きな印象を与えます。
注意点:「引く手あまた」の使い方で気をつけたいこと
便利な表現ですが、使う際にはいくつか注意が必要です。
自慢話にならないように注意
自分自身に対して「私は引く手あまたで……」と多用すると、鼻につく印象を与えかねません。
あくまで第三者からの評価としてさりげなく用いるのがスマートです。
使いどころを見極める
「引く手あまた」は基本的にポジティブな表現ですが、実際には「選り好みしてなかなか決まらない」といったネガティブなニュアンスで使われることもあります。
文脈をよく考えて使いましょう。
フォーマルすぎない表現
ビジネス文書や公式なプレゼン資料では、「求められる人材」「需要が高い」といったフォーマル表現に言い換えた方が無難な場合もあります。
まとめ:「引く手あまた」を正しく使いこなそう
ここまで、「引く手あまた」について詳しく解説してきました。
ポイントまとめ
- 「引く手あまた」は「多くの人に求められる」というポジティブな表現。
- 転職、芸能、スポーツなど、幅広い分野で使える。
- 類語として「争奪戦」「ひっぱりだこ」などもある。
- ビジネスでは控えめかつ効果的に使うと好印象。
- 自慢になりすぎないよう、文脈に注意!
「引く手あまた」の意味と使い方を正しく理解していれば、会話や文章において表現の幅がぐっと広がります。
ぜひ今日から積極的に使ってみてくださいね!
更に詳しく知りたい方は此方のリンクを参照ください。
- 「引く手数多(ひくてあまた)」の意味と使い方 - goo辞書
「引く手数多」は、多くの人から誘いを受けることを意味します。ビジネスシーンでは、需要の高い人材や商品を指す際に使われます。
https://dictionary.goo.ne.jp/word/引く手数多/ (漢字、類語「引っ張りだこ」の違いを例文つきで解説)
- 「引く手あまた」の意味と使い方、類語・対義語・英語も例文解説 - BZlog
「引く手あまた」は、多くの人から誘われる様子を表す慣用表現です。ビジネスでは、需要の高い人材や商品に対して使われます。類語や対義語、英語表現も紹介されています。
https://bzlog.net/meaning/a5755/ (引く手あまたの意味と使い方とは?語源や類語・対義語・英語も ...)
- 「引く手あまた」の意味と使い方、漢字、類語「引っ張りだこ」の違いを例文つきで解説 - 英語部
「引く手あまた」は、求める人が多いことを意味します。ビジネスシーンでは、需要の高い人材や商品に対して使われます。類語や対義語、英語表現も紹介されています。
https://eigobu.jp/magazine/hikuteamata (漢字、類語「引っ張りだこ」の違いを例文つきで解説)