「バタ臭い顔だね」
そんな言葉を耳にしたことはありませんか?
一見すると、ちょっと失礼な響きも感じられるこの表現。実際にはどんな意味を持っているのでしょうか?
また、なぜ「バタ臭い」という独特な言い方が生まれたのでしょうか?

目次
「バタ臭い顔」とは?意味をシンプルに解説
まず結論から言うと、「バタ臭い顔」とは、外国人風の顔立ちをした日本人のことを指す表現です。
もっと具体的に言えば、
- 目鼻立ちがはっきりしている
- 顔の彫りが深い
- 肌や髪の色が明るい
- 西洋人っぽい印象を受ける
といった特徴を持つ顔立ちを、「バタ臭い顔」と表現するのです。
「バタ臭い顔」とは?ポイントまとめ
- 日本人離れした顔立ちを指す
- 特に西洋的(ヨーロッパ系)なイメージが強い
- 「異国風」「洋風」というニュアンスが含まれる
「バタ臭い」の語源とは?
では、なぜ「バタ臭い」という独特な言葉が使われるようになったのでしょうか?
語源をたどってみましょう。
「バタ」は「バター」から来ている
「バタ」とは、英語のbutter(バター)が語源です。
バターはもともと西洋から日本に伝わった食品であり、
日本人の食文化にとっては異国的で珍しい存在でした。
19世紀から20世紀初頭、日本に西洋文化が本格的に入ってきた時代。
当時の日本人にとって、バターは
- 西洋風
- なじみがない
- 独特なにおいや風味がするものとして捉えられていたのです。
そこから転じて、「バタ臭い=西洋風で、日本的でない感じがする」
という意味が生まれました。
なぜ「臭い」がついたのか?
「臭い(くさい)」という言葉には、単に「においがある」という意味だけでなく、「〜らしさが強くにじみ出ている」というニュアンスもあります。
つまり、「バタ臭い」とは、
「バターのようなにおいがする」=「西洋文化が強くにじみ出ている」というイメージを表現する言葉だったのです。
「バタ臭い顔」の特徴とは?
「バタ臭い顔」と言われる顔立ちには、いくつか共通する特徴があります。
「バタ臭い顔」の特徴1. 目鼻立ちがくっきりしている
- 二重まぶた
- 高い鼻
- 大きな目
こうした特徴は、西洋人によく見られる顔立ちです。
「バタ臭い顔」の特徴2. 顔の彫りが深い
- 額から鼻筋、頬骨のラインに立体感がある
- 顔の陰影がはっきりしている
平面的な顔立ちが多い東アジア系に比べ、顔全体に凹凸がある印象です。
「バタ臭い顔」の特徴3. 肌や髪の色が明るい
- 色白肌
- 茶色がかった髪色
- 明るい瞳の色(ハーフの場合)
こういった特徴も、バタ臭さを感じさせる要素の一つです。
「バタ臭い顔」の特徴4. 洋風な雰囲気を持つ
- ファッションやメイクが西洋風
- 表情や立ち居振る舞いに「洋風」のエッセンスがある
顔立ちだけでなく、全体の雰囲気が影響することもあります。
「バタ臭い顔」の使われ方とイメージの変遷
昔は「少し揶揄(やゆ)する」ニュアンスがあった
もともと「バタ臭い顔」という表現は、「日本的な美意識」から外れたものをやや皮肉るような意味を含んでいました。
かつての日本では、
- 切れ長の目
- 奥ゆかしい表情
- 控えめな美しさ
が美の基準とされており、外国人風の派手な顔立ちは「日本らしくない」と見なされることが多かったのです。
そのため、「バタ臭い顔=派手でケバケバしい」というネガティブなニュアンスを持つこともありました。
現代ではポジティブな評価も多い
しかし、時代とともに価値観は大きく変化しました。
今では、
- ハーフタレントの活躍
- 国際的な美の多様性の広がり
- メイク技術の発達
などの影響により、「バタ臭い顔」は「華やか」「目立つ」「美しい」とポジティブに受け取られることが多くなっています。
実際、芸能人やモデルでも「バタ臭い顔立ち」が人気を集めていますよね。
具体例|「バタ臭い顔」と言われる有名人
わかりやすいように、実際に「バタ臭い顔」と評されることが多い有名人を例に挙げてみましょう。
- 北川景子さん
- 綾瀬はるかさん(若干バタ臭さを感じるタイプ)
- ローラさん(ハーフタレント)
- 長谷川潤さん(ハーフモデル)
彼女たちは、目鼻立ちがはっきりしていて、どこかエキゾチックな魅力を持っていますね。
「バタ臭い顔」は褒め言葉にもなる?
結論として、現代においては「バタ臭い顔=魅力的な顔立ち」とポジティブに解釈されることが多いです。
もちろん、場面や言い方には注意が必要ですが、「バタ臭い=個性的で華やか」という認識が広まっています。
まとめ|「バタ臭い顔」は時代とともに意味を変えた言葉
- 正式な意味では「外国人風の顔立ちをした日本人」を指す
- 語源は「バター」=西洋文化に由来
- かつては皮肉も込められていたが、今はポジティブに受け取られることが多い
- 言葉のニュアンスは時代とともに大きく変わる
これから「バタ臭い顔」という言葉を耳にしたら、単なる揶揄ではなく、「華やかさ」「個性」「国際的な美しさ」を表す表現として受け取るといいかもしれません。
そして何より、顔立ちにかかわらず、自分自身の魅力を大切にしていきたいですね!
関連リンク
- バタ臭いの意味と語源とは?
「バタ臭い」は、明治時代にバターの強い匂いが西洋文化の象徴だったことから生まれた言葉で、「西洋風である」「外国風である」という意味です。詳しくはこちら(extraordinary.cloud)。
- バタ臭いの使い方と由来
バターに由来し、西洋風を揶揄する意味で使われた「バタ臭い」。現代ではファッションや顔立ちの特徴にも使われています。詳しくはこちら(俗語辞典)。
- バタ臭いの歴史的背景を知る
「バタ臭い」は戦後、価値観の変化とともにポジティブな意味でも用いられるようになりました。詳しくはこちら(国立国会図書館レファレンス)。