雑学

公務員のボーナスはおかしい?現実と誤解をわかりやすく解説

ゆいと

語源と意味の研究系ブロガー|ブログ歴5年|言葉の意味や語源、日常で使われるフレーズや雑学を発信|難しいことをわかりやすく、を意識して書いています。

「公務員って景気に関係なくボーナスがもらえるからずるい!」

「民間企業は大変なのに、公務員だけ待遇が良すぎない?」

 

こんな声を、ニュースやSNSなどで耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか?

 

特に不景気や社会不安が高まるとき、公務員のボーナスに対して疑問や不満を持つ人が増える傾向があります。

 

では、本当に公務員のボーナスは「おかしい」のでしょうか?

 

編集者
編集者
この記事では、公務員のボーナスの仕組み、批判される背景、そして本当のところどうなのかを、わかりやすく丁寧に解説していきます!

 

そもそも公務員のボーナスって何?

 

まず、公務員のボーナス(正式には「期末手当」「勤勉手当」といいます)とは、民間企業でいう「賞与(ボーナス)」にあたるものです。

 

期末手当=勤務成績や業績に関係なく支給される基本部分

勤勉手当=勤務成績や勤務態度を反映させる成績部分

 

つまり、民間企業のように「業績ボーナス」と違って、基本的には「働きに対する労い」「勤務態度に応じた評価」を目的としたものなのです。

 

 

公務員のボーナス額はどう決まる?

公務員のボーナス額は、民間企業のボーナス支給状況を参考にして決められています。

 

  • 人事院(国家公務員の場合)
  • 各自治体の人事委員会(地方公務員の場合)が、毎年「民間給与実態調査」を行い、民間企業(特に中堅企業)のボーナス支給実態をベースに調整するルールになっています

 

つまり、「公務員だけ特別にたくさんもらっている」というわけではなく、民間水準に合わせて上下しているのです。

 

民間企業のボーナスが下がれば、翌年の公務員ボーナスも減額される流れになります。

 

 

公務員のボーナス「おかしい」と言われる理由は?

 

公務員のボーナスおかしいと言われる理由1. 景気や業績に左右されない安定感

民間企業では、不景気になるとボーナスカットやゼロ査定が珍しくありません。

 

一方、公務員は

  • 経済危機でも一定額支給
  • 失業リスクがほぼない

 

という安定感があるため、「ズルい」と感じる人が多いのです。

 

公務員のボーナスおかしいと言われる理由2. 実感としてのズレ

たとえば、自分が働いている民間企業のボーナスが激減したのに、ニュースで「今年の公務員ボーナスは○か月分支給」と流れると、どうしても「自分たちは苦しいのに…」という不満が湧きやすくなります。

 

公務員のボーナスおかしいと言われる理由3. 公務員のイメージ問題

  • 楽そう
  • 定時帰り
  • 仕事がルーティン
  • リスクが少ない

 

というステレオタイプなイメージがあるため、「たいして苦労してないのにボーナスもらえるなんて!」と感情的な批判を招きやすいのです。

 

実際の公務員ボーナス事情はどうなのか?

公務員のボーナス平均額(目安)

国家公務員・地方公務員ともに、平均して年間で4.0〜4.4か月分程度の支給が多いです。

 

年収500万円の公務員なら、ボーナスは年間で約160万〜180万円程度。

決して超高額というわけではありませんが、たしかに民間平均よりは若干高めに設定される傾向があります。

 

公務員にも格差がある

  • 国家公務員(本省勤務)
  • 地方自治体職員(役所職員)
  • 学校教員
  • 警察官、消防士、自衛官

など、職種や地域によって大きな差があります。

 

また、評価によって勤勉手当の支給額も変動するため、必ずしも全員が満額もらえるわけではないのです。

 

民間と公務員のボーナス比較は本当にフェア?

ここで少し冷静に考えてみましょう。

 

民間企業

  • 成果主義が強い
  • 売上や利益で支給額が決まる
  • 好景気なら高額、悪ければゼロもありえる
  • 転職・失職リスクがある

 

公務員

  • 安定的な業務
  • 景気変動に左右されにくい
  • 基本的に制度に基づく支給
  • リストラはほぼないが異動や転勤リスクあり

 

つまり、リスクとリターンのバランスが違うのです。

 

民間はハイリスク・ハイリターン、公務員はローリスク・ローリターン。

 

編集者
編集者
この構造を理解すれば、「どちらが得」と単純には言えないことがわかりますよね。

 

公務員ボーナスに対する今後の議論

今後、公務員のボーナス制度には

 

更なる成果主義の導入

景気動向連動型への改革

 

といった議論が求められる可能性もあります。

 

ただし、安定した行政サービスを維持するためには、一定の処遇安定は不可欠とも言われています。

 

改革するなら、単に削減するだけでなく公務員の質の向上を促すような建設的な議論が必要でしょう。

 

まとめ|公務員のボーナスは「おかしい」と一概には言えない

まとめ

  • 公務員のボーナスは民間企業の水準に合わせて決まる
  • 景気に左右されにくい分、安定しているのは事実
  • 民間と公務員ではリスクとリターンの構造が違う
  • 「おかしい」と感じるのは実感格差やイメージの影響が大きい
  • 本当に問題にするなら、冷静な制度改革議論が必要

 

感情的に「ズルい!」と感じてしまう気持ちは自然なものですが、一歩踏み込んで背景や仕組みを知ると、単純な善悪では語れない問題だということが見えてきます。

 

編集者
編集者
これからも、社会全体のバランスを考えながら、冷静な目で「公務員ボーナス問題」を見つめていきたいですね!

 

関連リンク

  • 国家公務員のボーナス支給実態と民間との比較国家公務員のボーナス(期末・勤勉手当)は、人事院が調査した民間企業のボーナスの支給状況を基礎として、支給月数が決められています(民間準拠)。詳細な支給月数や支給額については、内閣官房の資料をご参照ください。 ([PDF] 国家公務員の給与 - 内閣官房)

 

 

 

 

  • この記事を書いた人

ゆいと

語源と意味の研究系ブロガー|ブログ歴5年|言葉の意味や語源、日常で使われるフレーズや雑学を発信|難しいことをわかりやすく、を意識して書いています。

-雑学