雑学

抽象的な哲学的問題とは何か?概念・特徴・代表例をわかりやすく解説

「人間とは何か?」

「善とは?」

「この世界は本当に存在しているのか?」

 

こういった問いに、明確な正解があると思いますか?

多くの人は、「うーん、難しいな」と首をかしげるはずです。

 

このような「すぐに答えが出ない・感覚的で・頭をひねらせる問題」こそが、哲学における「抽象的な問題」です。

 

でも、「抽象的」って何?「哲学的問題」ってどんなもの?

そもそも何の役に立つの?――そんな疑問にひとつずつお答えしていきます。

 

「抽象的な哲学的問題」とは?

■ 抽象的とは何か?

「抽象的」という言葉は、一般に以下のような意味を持ちます。

 

具体的なものから共通点や本質だけを抜き出した状態。

はっきりした形がなく、イメージしにくい概念。

 

たとえば、「犬」は具体的ですが、「動物」はより抽象的です。

 

さらに「生き物」はもっと抽象的で、「存在」は超抽象的です。

 

つまり、「抽象的」とは、具体的な事物の背後にある“意味”や“本質”に目を向ける視点なのです。

 

哲学的問題とは?

哲学的問題とは、主に以下のような特徴を持った問いを指します。

 

  • 誰もが一度は考えたことのある根源的な疑問
  • 正解がひとつではなく、多様な答えが存在する
  • 科学や宗教では答えきれない問題
  • 人間の存在や価値に関わる深い問い

 

たとえば

  • 「人はなぜ生きるのか?」
  • 「自由意志は存在するのか?」
  • 「善悪とは誰が決めるのか?」
  • 「死とは何か?」

 

これらは一見、答えの出ない問いのように感じますが、人間が真剣に向き合うべきテーマとして、何千年も語り継がれてきました。

 

抽象的な哲学的問題の特徴3つ

1. 日常の裏側にある本質を問う

たとえば、あなたが今この文章を読んでいるとします。

 

その行為の背景には、

  • なぜ「読む」という行為を選んだのか?
  • 自分の「意思」で選んだのか?
  • そもそも「自分」とは何なのか?

 

…といった、通常は意識しないレベルの思考が隠れています

 

哲学的問題とは、そうした「当たり前の下にある問い」に光を当てる営みなのです。

 

2. 明確な答えが出ない(でも思考の価値がある)

哲学では「唯一の正解」を追うよりも、

 

  • 問いを立てること
  • 多様な視点を考察すること
  • 矛盾やパラドックスに気づくこと

 

など、思考のプロセス自体が価値とされます。

 

抽象的であるがゆえに、答えを急がず「問い続けること」そのものが意味を持つのです。

 

3. あらゆる学問の土台になる

数学、物理学、政治学、心理学など、あらゆる学問の“出発点”には、哲学的な問い=抽象的な問いがあります。

 

  • 数学の基礎 → 「数とは何か?」
  • 法律の基礎 → 「正義とは何か?」
  • 科学の基礎 → 「真理とは何か?」

 

つまり、抽象的な哲学的問題は、「人間の知の根っこ」を支えていると言えるでしょう。

 

抽象的な哲学的問題の代表例

ここからは、代表的な抽象的問題をいくつか紹介しながら、どういうことを問うているのかを見ていきましょう。

 

抽象的な哲学的問題の代表例1. 「私はなぜここにいるのか?」

  • 宗教的:神が与えた使命なのか?
  • 実存主義的:自分で意味を見つけるべきなのか?
  • 科学的:偶然の進化の結果にすぎないのか?

 

これは存在論(オントロジー)という哲学分野に関係しています。

 

人間の「存在理由」や「目的意識」をめぐる根本的な問いです。

 

抽象的な哲学的問題の代表例2. 「世界は本当に“存在”しているのか?」

有名な哲学者デカルトは、「我思う、ゆえに我あり(Cogito ergo sum)」という言葉で、世界の実在性を疑うところから哲学を始めました

 

この問いは「認識論(エピステモロジー)」の分野に属し、

 

  • 「見る」ことは真実なのか?
  • 「夢」と「現実」の違いはどこにあるのか?

 

といった問題を提起します。

 

抽象的な哲学的問題の代表例3. 「善と悪の基準は誰が決めるのか?」

  • 社会的に「悪」とされていることも、別の文化では「善」とされることがある
  • 戦争、死刑、安楽死、AIの倫理…現代社会にはグレーゾーンが多数存在

 

この問いは倫理学(エシックス)の中心テーマ。

単純な「ルールの有無」ではなく、「何をもって正しいとするか?」を探る非常に抽象的な問いです。

 

抽象的な哲学的問題の代表例4. 「自由意志はあるのか?」

  • 私たちは本当に自分の意志で行動しているのか?
  • 脳の働きにすぎないのでは?
  • 環境・遺伝・社会的影響に支配されているのでは?

 

この問いは心の哲学、そして自由と責任をめぐる議論にもつながります。

 

とても抽象的ですが、犯罪・教育・司法制度の根底にも関わる重要な問題です。

 

哲学的問題に向き合う3つのメリット

哲学的問題に向き合うメリット1. 思考力・読解力が深まる

論理的に考える習慣が身につき、「なぜそう考えるのか」を説明する力が養われます。

 

哲学的問題に向き合うメリット2. 自分の価値観を見つめ直せる

抽象的な問いに向き合うことで、日々の選択や生き方に対するができてきます。

 

哲学的問題に向き合うメリット3. 他者理解に役立つ

異なる価値観に触れることで、「他人もまた違う視点で世界を見ている」と気づけます。

 

まとめ|抽象的な哲学的問題は「人間らしさ」の証明

この記事のポイントまとめ

  • 抽象的とは、具体から離れた本質や概念を問うこと
  • 哲学的問題は、正解がなく、多様な視点で捉える問い
  • 抽象的な哲学的問題には、「存在」「真理」「善悪」「自由意志」などがある
  • 答えを出すよりも、問い続けること自体が意味を持つ
  • 私たちの生き方、考え方、価値観の根底を形づくる大切な“知的営み”

◎最後に

普段何気なく過ごしている日常の中にも、哲学的問題の種はたくさん転がっています。

 

「なぜ自分はこの道を選んだのか?」

 

「幸せって何だろう?」

 

そんなふとした疑問を大切にすることが、哲学の第一歩です。

 

抽象的な哲学的問いは、“考える”という人間の特権そのもの。

 

ぜひ、自分自身なりの答えを探す旅に出てみてください。

 

  • この記事を書いた人

ゆいと

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