日本語には、似たような意味を持つ漢字や言葉がたくさんありますよね。
「繋がる」と「継る」もその一例です。
- 人と人がつながる
- 家業をつぐ(継ぐ)
- 想いがつながっている
- 技術をついでいく
こういった場面で、「繋」と「継」、どちらを使うのが正しいの?と迷うこともあるのではないでしょうか。
この記事では、「繋がる」と「継る(継ぐ)」の意味や使い方の違いを、例文つきでわかりやすく解説していきます!
文章を書く人・正しい日本語を身につけたい人・教養を深めたい人にぴったりの内容です。
「繋がる(つながる)」の意味と使い方
まずは「繋がる(つながる)」から見ていきましょう。
「繋がる」の意味(国語辞典より)
物と物、人と人が切れずにつながっていること。
関係が保たれていること。連続していること。
つまり、「物理的・精神的に連続している状態」を表す言葉です。
使われ方のパターン
- 物理的につながる
- 感情や思考がつながる
- ネットワークなどの接続がつながる
例文
- 鎖でフェンスと柱が繋がっている。
- 彼とはSNSで今でも繋がっている。
- この出来事が、次の事件に繋がるなんて思わなかった。
「繋がる」の3つのポイント
- 「つながり合う」関係性を強調
- 現在の“関係性・連続性”を重視
- 人と人/物と物/出来事など幅広く使える
「継る(つぐ/継ぐ)」の意味と使い方
次に、「継る(つぐ)」について解説していきます。
※「継る」は「継ぐ(つぐ)」の文語的・古風な表記で、意味は「継ぐ」と同じです。
「継ぐ」の意味(国語辞典より)
何かを引き続いて行うこと。
前の人・前の代から受け取り、それを続けていくこと。
つまり、「断絶させずに、続ける・受け継ぐ」という行為を表す言葉です。
使われ方のパターン
- 家業や伝統を引き継ぐ
- 技術や想いを次代へ継ぐ
- 血縁・後継者としての立場を継ぐ
例文
- 父の会社を継ぐことを決めた。
- 日本舞踊の家元の名を継いだ娘。
- 師の教えを継る(つぐ)者として精進する。
「継ぐ/継る」のポイント
- 過去→現在→未来へ“引き継ぐ”流れ
- 「つなぐ」よりも意思や責任が強調される
- 特に「伝統・家系・役割」を受け継ぐ場面で使う
「繋がる」と「継ぐ」の違いを整理!
両者の違いをわかりやすく比較してみましょう。
項目 | 繋がる(つながる) | 継る・継ぐ(つぐ) |
---|---|---|
主な意味 | 関係や連続性が保たれている | 何かを引き継ぎ、続けていく |
関係性 | 対等・双方向のつながり | 一方向的な受け継ぎ・引継ぎ |
対象 | 人、物、感情、ネットなど広範囲 | 家業、地位、役目、伝統など |
ニュアンス | 現在の状態を示す | 意志や責任、継承の意志を含む |
例文 | 「友達と繋がっている」 | 「親の事業を継ぐ」 |
「つながる」と「つぐ」を間違えやすいケース
例1:「伝統をつなぐ」or「伝統を継ぐ」?
正解:「伝統を継ぐ」
理由:過去から受け継ぎ、続けていくという意味になるから。
例2:「夢が現実につながる」or「夢が現実を継ぐ」?
正解:「つながる」
理由:ある物事同士が連続的につながっていることを表しているから。
例3:「先輩の意思をつなぐ」or「先輩の意思を継ぐ」?
どちらも使えるが、意味が異なる!
- 「つなぐ」:意思を別の人と共有・協力するイメージ(今を重視)
- 「継ぐ」:その意思を受け継いで自分が実行するイメージ(未来を重視)
「継る」は現代で使うべき?
「継る(つぐ)」という表記は、現代日本語ではあまり一般的ではなく、「継ぐ」と書くのが通常です。
あえて「継る」を使う場面は?
- 文学的・詩的な表現をしたいとき
- 古風な表現を使いたいとき
- 歌詞や俳句、古文調の文章での演出
例
- 君の夢、我が身に継る
- 父の名を継る者として、生きていく
少し硬い・格式のある印象を与えます。
まとめ:「繋がる」は“今のつながり”、「継ぐ」は“未来への受け継ぎ”
最後に、この記事の内容をまとめておきましょう!
「繋がる」=関係・連続性・接続が“今”あること
「継ぐ」=過去から引き継いで“未来へ”続けていくこと
「継る」は文語的な表現で、「継ぐ」と意味は同じ
文章の中での使い分け次第で、表現に深みが出る!
おまけ:使い分けクイズ!
次の文の「つなぐ/つぐ」はどちらが正しい?
① 家族の想いを__ために努力する
② 師匠の跡を__職人になった
③ 昔の仲間と今でも__っている
答え
① 継ぐ(想いを受け継ぐ)
② 継ぐ(役職や立場を引き継ぐ)
③ 繋がっている(人間関係が続いている)