雑学

「吉(よし)」の下が長い漢字の出し方は?その意味と使い分けも徹底解説

「吉田さん」や「吉川さん」など、日本人の名前に多く使われる漢字「吉(よし)」。

 

一見なんの変哲もないこの字ですが、実は「下が短い吉」と「下が長い吉」の2種類が存在するのをご存じでしょうか?

 

例えば、「つちよし」とも呼ばれる「𠮷(U+20BB7)」という漢字は、一般的な「吉」とは異なる構造を持ちます。

 

「吉」……下の「口」の部分が小さい

「𠮷」……下の「口」が縦に長く、「土」っぽく見える

 

この記事では、

  • 「𠮷」の正体と意味
  • 「吉」との違い
  • パソコン・スマホでの入力方法
  • なぜ使い分けがあるのか
  • 書類や公的手続きでの注意点

 

などについて、ボリュームで徹底解説します!

 

「𠮷」はどういう漢字?「吉」との違いとは

まずは見た目と構造から比較してみましょう。

 

一般的な「吉」

  • Unicode:U+5409
  • 字形:「士」と「口」が組み合わさった形
  • 読み:よし、きち
  • 意味:めでたい・良い兆し

 

下が長い「𠮷」

  • Unicode:U+20BB7(拡張漢字B)
  • 見た目:「口」の部分が縦長になっている
  • 別名:「つちよし」「長吉」など
  • 人名漢字として使用されることがある(例:「𠮷田さん」)

 

違いのポイント

  • 意味はほぼ同じ(どちらも「めでたい」意味)
  • 使用場面により字形が使い分けられる
  • 特に「人名」の場合、戸籍に登録された正しい字形を使う必要がある

 

なぜ2種類あるの?歴史と由来

「𠮷」は、もともと古典中国語で使われていた正字の一つです。

日本では明治期以降、常用漢字・人名用漢字が整理された際に、フォントや書体の都合で字形にバリエーションが出るようになりました。

 

戸籍法により、戸籍に登録された漢字が正式な「本人の名前」となるため、同じ「吉田」でも、

 

  • 「吉田(よしだ)」=U+5409の「吉」
  • 「𠮷田(よしだ)」=U+20BB7の「𠮷」

 

と、異なる漢字として扱われます

 

「𠮷」の入力方法(パソコン編)

「𠮷」の入力方法①:WordでUnicode入力(Alt+X)

  1. 日本語入力をオフ(英字モード)にする
  2. 半角で 20BB7 と入力
  3. キーボードで Alt + X を同時押し
  4. 「𠮷」が表示される

「𠮷」の入力方法②:IMEパッドで手書き入力

  1. タスクバーの「A」や「あ」などIME表示を右クリック
  2. 「IMEパッド」→「手書き」を選択
  3. 「𠮷」を手で書いて検索する

 

「𠮷」の入力方法③:文字コードで変換(F5変換)

  • 「よし」と入力
  • F5キー(または変換候補一覧)を開く
  • 候補に「𠮷」が出ていれば選択

 

「𠮷」の入力方法(スマートフォン編)

「𠮷」の入力:iPhoneの場合(ユーザー辞書に登録)

  1. Safariなどで「𠮷」と検索してコピー
  2. 設定 → 一般 → キーボード → ユーザ辞書
  3. 単語:𠮷、よみ:よし で登録
  4. 今後「よし」と入力すれば「𠮷」が表示される

 

「𠮷」の入力:Androidの場合

  1. ブラウザで「𠮷」をコピー
  2. 設定 → 言語と入力 → 個人辞書(またはユーザー辞書)
  3. 同様に登録し、変換候補で「𠮷」が出るようにする

使い分けの注意点(役所・公文書・システム)

書類に書く際の要注意ポイント

  • 戸籍上が「𠮷」の場合、必ず「𠮷」で書く必要がある
  • 「吉」と書くと別人扱いされる可能性あり
  • パスポート、マイナンバー、免許証などで入力・印刷エラーになる場合も

 

システムで入力できないこともある

  • 古いフォント・OSでは「𠮷」が正しく表示されない
  • 「文字化け」する可能性がある(※全角の□など)

 

こうしたトラブルを防ぐためには、書類提出前に「正確な字形を確認すること」が重要です。

 

「𠮷」にまつわるトラブル実例

実際に、「𠮷」のせいで起きたトラブルは少なくありません。

 

  • 名前の漢字が違うとしてネット銀行の登録ができなかった
  • クレジットカードの審査が通らなかった(表記が違った)
  • 役所のシステムに文字が登録できず、代替文字になった

 

など、「漢字が1画違うだけで別人になる」というケースはよくあります。

 

対策:名前に「𠮷」が含まれる方はどうする?

  • 公的文書・契約書などでは「戸籍と同じ字形か」を必ず確認
  • 入力時に「表示されない」「変換されない」場合は担当者に伝える
  • 署名や印鑑などは必ず戸籍通りの字を使う

 

まとめ:「𠮷」は正確な入力と理解が必要な“似て非なる漢字”

比較項目 「吉」 「𠮷」
Unicode U+5409 U+20BB7
下部の形 小さい「口」 縦長の「口」
主な用途 一般文字・苗字 人名・戸籍登録
入力方法 通常変換 Alt+X / ユーザ辞書など
注意点 表記ミスに注意 戸籍と不一致でトラブルに

 

「𠮷」は単なる旧字体ではなく、戸籍上の正式な名前として存在する重要な漢字です。

 

入力・変換の方法をしっかり理解して、正確な表記を心がけましょう!

 

 

下記を参考に、「吉」の異体字である「𠮷」の意味や使用方法、入力方法について深く理解きます。

「𠮷」と「吉」の歴史

「𠮷」と「吉」の字体の違いと歴史的背景について詳しく解説していす。

 

「吉」の下が長い漢字の使い方と入力方法まとめ

「𠮷」の使用例や、パソコンでの入力方法について詳しく説明してます。

 

「吉」の「士」の下の横棒が長いやつ

「吉」の下部の横棒が長い字体の入力方法や使用に関する質問と回答が掲載されてます。

 

  • この記事を書いた人

ゆいと

言葉の意味や語源、日常で使われるフレーズの雑学を発信|「知ることで会話が豊かになる」「言葉を大切にしたい」がモットー|難しいことをわかりやすく、を意識して書いています|ご質問・リクエスト大歓迎です!

-雑学